きのう・きょう・あした



   
DVを受けていた被害者の心を記したメモです。
混迷の中から抜け出していく様子をシェアできればと思います。
   



*** 1 ***

どうしてなのかといつも不思議だった。
なぜ、みんなそんなに気を遣わずに子供を夫に預けて出かけられるのかと。
なぜ、みんなそんなに気楽に夫を置いて子供と実家に帰ることができるのかと。

私が幼い精神構造を残したままだったことがそんなに悪いことだったんだろうか。
実家の親に対して圧迫感を感じ、夫が嫌がることを伝えられなかった「罰」として、子供たちを祖父母に会わせないということが許されるんだろうか。
自分の思うようにならないことを、私がフォローしないからといって、なぜ責められなければならないのだろう。
なぜ、金をかせいでいない妻は文句をいってはならないのだろう。
なぜ、あなたを満足させないと、私は認めてもらえないのだろう。
なぜ、しかられていたのだろう。
なぜ、君に人権はないといわれなければならないのだろう。
なぜ、君は害毒をまきちらしてるといわれなければならないのだろう。

なぜ、なぜ、なぜ・・・・・

わからないままに、私は結婚生活を続けてきた。
口論に陥るとき以外は理想的な夫だし、語る言葉はなるほどと思わせられることも多い。
根はいい人なんだ、いつかはわかってくれる。
私が良い妻になる努力をもっとすることが必要なんだ。
彼の指摘は間違いではない。
私も傷ついているけど、彼だって傷ついてるんだ。
私は夫がいごこち良い場所をつくってきたのか。
まずは、キチンと家庭のことをしよう。
両親へはあの世で謝ろう。


DVの加害言動と相手への期待によって、被害者が「なぜ」と混迷に中
にいながら、なお自分へ課題を課すことで問題が解決できるのではないかと苦
しんでいる様子がよくわかります。

*** 2 ***

かさぶたをとったら、ちっとも癒えてない傷が見えた。悲しみと怒りの。自分の生き方として望んでいた姿で蓋をしていただけだった。長いこと、暗い感情の底で、きっとふつふつと煮えたぎっていたのかもしれない。
封印をとってしまって見てしまった。もうお日様にあて、日干しにしてなくしてしまうしかない。
そんな傷を持っていたことは、大事な私の一部として記憶にとどめよう。

自分が酷く傷ついていることを始めて認めたあと、
傷に真正面から向き合おうという覚悟が現れています。


*** 3 ***

自由になりたい。自由にしたい。自由でいたい。

被害者に共通する心からの叫びでなのではないでしょうか。
この思いが一歩を踏み出す強い力となるのかもしれません。


*** 4 ***

今日は仕事場に同僚がいたから、何とかこなせた。しかし勤務時間終了時間間際 から心臓ドキドキがひどくなる。
帰宅前に何度も子ども達に電話するが出ず、「頑張らなくていい」「頑張らなくていい」と唱え ながら帰宅。子どもが帰っていてホッとする。

パートナーから『被害者は君じゃないんだからね。絶対に謝罪させてやる』と脅されたあとのメモです。
精神が緊張のピークに達しています。
こういう時期は特に周囲に理解者がいると大きな安心をもらえます。


*** 5 ***

ということは、まだ自分を縛っている。長い間に身にまきつけていた紐を、少ーしずつ ほどいていくことにしよう。私のできる方法で。私にある時間で。

私は何をしたいのだろうと、当面抱えている重い課題とともに、これからの自分に与えられているはずの 「生きる役割」を捜したい。躊躇はあったが書くことで次にステップへ向けてローにギヤが入った気がする。

今自分にできることは何かと問いかけながら時を待っている、という状況です。
何をしていいかわからないときは、ジッと待つという方法もありますし、
思いついたことをしてみると環境が変わっていくことにつながることも多いです。


*** 6 ***

※動くことで見えてくる方向、自分。

昨日までの日々は明日からの日々のために用意されている。今日、決断するのはあなたです。行動に移す時に早い遅いもなく、あなたの人生の中にちゃんと決められた時がある。
ただ、その時がきた時に、きちんと見つめることのできる、チャンスをつかむことのできる目を育てよう。ときは移ってしまうこともある。また巡ってくるのはいつかはわからない。
自分を大切にし、そして、相手を大切にしよう。他人を攻撃する気持ちはすなわち、自分の中にある何かを攻撃していること。
「最後は人です。」
自分を大切に、他人を大切に。


自分を客観的に見て、他人に語りかける言葉で自分への応援歌にしています。
段々自分を取り戻して行っている様子がよくわかります。









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