::: DVチェックリスト :::

森田ゆり著 『ドメスティック・バイオレンス 愛が暴力にかわるとき』 (小学館)より
※2006年中に改訂版が出るそうです。
チェックリストは改訂版をいただきました。

森田ゆり エンパワーメントセンター

『私の出会ってきたDVの被害者たちは必ずしも経済力のないひ弱な女たちではなく、
キャリアを持ち、しっかりとした意見を持ち、それを発言する人たちも少なくありませんでした。
ただ、彼女たちの多くに共通していたのは自分が暴力の被害者であると認識することに困難を感じていたことです。
 DVという深刻な暴力を夫婦喧嘩としかみなさない社会の通念が広くまかり通っているために、
被害者たちもそれを喧嘩以上のものと思えないことが少なくないのです』

という文から始まる、第3章『DVをはかるチェックリスト』掲載のチェックリストをご紹介します。

●次のチェックリストで該当する項目が一つでもある人は、虐待を受けているDVの被害者である可能性が大変に
 高いといえます。「彼」とは夫、前夫、愛人、恋人などを指します。
彼の機嫌を損ねては大変と思い、彼の要求を受け入れてしまう。
彼が怒りを爆発させてどなったり暴力をふるったりする行為に対して、彼に謝ったり、彼のために第三者に謝ったりする。
彼の態度に恐怖をよく感じる。
彼から頻繁に批判されたり、馬鹿にされたりする。
彼からセックスを強要され、いやなのに応じている。
彼から殴られたり、蹴られたり、髪をひっぱられたり、突き飛ばされたり、タバコの火を押し付けられたり、縄で縛られたり、ナイフや拳銃で脅されたりしたことがある。
彼によって家族や友人に会ったり電話で話すことをはばまれている。
貯金や給料へのアクセスを彼に占有されている。
根はいい人だから暴力さえふるわなければなんとかやっていけると思っている。


●次のチェックリストで該当する項目が一つでもある人は、虐待をしているDVの加害者である可能性が大変に高
 いと思ってください。
この家の主人は自分なのだから、彼女は自分の考えに従うべきだと考えている。
彼女がやるべきことをやらなかったり、生意気なことを言ったりしたときは、ときには力を用いても厳しく対応しなければならないと考えている。
自分が手をあげてしまうのは、彼女が怒りを誘発するからだと考えている。
つい押さえがきかなくなって手をあげてしまっても、そのあとすぐに誠実に誤り、彼女も許してくれているから、そんなにひどいことをしているわけではないと思っている。
彼女の交友関係が気になって仕方がない。電話に聞き耳をたてたり、手紙を開けて読んでしまうことがある。
彼女を殴ったり、蹴ったり、殺すと脅したり、自殺すると脅したり、物を投げたり、突き飛ばしたりのいずれかを複数回したことがある。
彼女が自分の思い通りにならないと、激しい怒りを覚える。
自分がセックスを要求したら彼女が応じるのがあたりまえだと思う。
自分は酒(または薬物)ぐせが悪くて酔うと殴ったりしてしまう。

<補足>
森田さん(エンパワメントセンター)よりご連絡をいただき、2006年中に出る予定の改訂版に合わせた内容となっています。
どちらのチェックリストでも該当する項目が一つでもある場合は、DVの関係である可能性が高く、
二人の間で解決するのは困難であることから、即座に援助を求めるように、
また周囲に求めるのができないのであれば、
DVホットラインなどを探して相談することを勧告されています。

なお、私は『殴る蹴るの暴力』以外に、『人格を貶める言葉や、人の尊厳を認めない言葉』
も追加して考えても差し支えないと思っています。−SORA−


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